日ごとに陽差しが明るさを増してきて季節は春めいて参りました。道行くと風景にも花の色がちらほらと見え始め色づくのが楽しみでございます。さて今回のモチーフですが小さな貝殻や木の実、ガラス玉などが並び、蒐集箱を広げたような雰囲気で組んでおります。近づいて眺めていると枯れて縮んだ木の葉と渦を巻く貝殻の形がどこか似ているように見えたりして、生き物という精巧な科学が人知れず咲いては枯れていくのだなあ、その美しさの真理を私は知り得るのだろうかなどと感慨に耽ったりいたします。と同時に何か想像力のようなものが湧いてくる気がしますので、みなさんの想像力にも刺激となれば喜ばしいことです。配置は正面性が強く、奥行きも浅い空間としてみました。F30位~F0、SM、または変形の細長いキャンバスに描いたりするのも面白いかも知れませんね。(加藤)