今回モチーフにした切り株はお庭の手入れをされるという友人のお姉様宅からいただいてきました。私がお家に伺った時には、木を切ってから1ヶ月程経つのにも関わらず切り株からはまだ水が溢れていました。ものすごい力で水を吸い上げ、葉の先まで送っていたことがわかります。驚きで呆然としている私を横に友人が次々とモチーフに良さそうな木を選んでくれました。植木屋さんが持ち運びやすい大きさに切ってくれていましたが、一人では持てず、転がしたり、引きずったり…。抱きかかえるとまだ湿り気があり、生きているエネルギーというのか存在感に圧倒されます。地面の下と地面の上を水を通して行ったり来たり。それは人間の想像の遙か向こう。今回はその断片になりますが、フレッシュな楠の香りも一緒に楽しんでいただけたらと思います。期間は7月20日までと長めですので画面構成や描き出しにじっくりと時間をかけてもよさそうです。
向かって左から楠、欅(台上)、楓。台上トレイの緑の葉は楠に寄生しているノキシノブ(軒忍)という植物です。(丹澤)